（教材）
配付資料を用いる。ただし、参考文献の●のものを購入しておくと、便利である。
（内容）
経済活動はグローバル化しているが、課税権を行使するのは１８５をこえる国家である。
各国の課税ルールはまちまちであり、その執行機関も国ごとに分かれている。その結果、
同一の経済活動に対して、複数の国が何度も課税したり、どの国も課税しないことになり
やすい。この問題に関するひとつの対応が、二国間租税条約である。この演習では、租税
条約に関する文献に親しみ、未解決の論点に挑戦する。
（進め方）
前半では、租税条約の総論的問題につき、文献を講読する。後半では、参加者各人が租税
条約に関連した任意の論点を選んで報告し、討議を経て、レポートを書く。
（進行予定）
４月１９日 趣旨説明・資料配付
〔前半�繙纒ｶ献講読〕
４月２６日 租税条約の目的
○ALI, Federal Income Tax Project,
International Aspects of U.S. Income Taxation
II, 1-14 (1991).
５月３日 祭日
５月１０日 日本の租税条約
○竹内洋「我が国の租税条約締結ポリシー」水野忠恒編『国際課税の理論と課題』１９～
３６頁（１９９５）
５月１７日 租税条約の解釈と適用
○谷口勢津夫『租税条約論』８～６０頁（１９９９清文社）
５月２４日 トリーティー・オーバーライド
○OECD, Tax Treaty Override, 1-18 (1989).
５月３１日 トリーティー・ショッピング
○OECD, Double Taxation Conventions and the Use of Conduit Companies,
1-32 (1986
).
６月７日 トリーティー・ショッピング
○Technical Explanation, U.S.
Model Income Tax Convention of September 20, 1996,
84-97.
６月１４日 三角事案
○OECD, Triangular Cases, 1-20 (1992).
〔後半�繙纒垂ﾆ討議〕
６月２１日 論点整理・レポート題目決定
６月２８日 レポート執筆経過報告
７月５日 休講
７月１２日 レポート執筆経過報告
７月１９日 法学部研究室受付にレポート提出（郵送可）
（参考文献）
●OECD, Model
Income Tax Convention on Income and Capital, Vol. I and II, Loosel
eaf, 1997-．いわゆるＯＥＣＤモデル租税条約コメンタリーである。Condensed
version
を赤坂のＯＥＣＤ広報センター（電話３６８６・２０１６）で購入しておくと便利。なお
、ＯＥＣＤ関係の資料は、総合図書館の国際資料室に所蔵。
●平成１１年版租税条約関係法規集（１９９９清文社）
○村井正・租税法�繙纓攪_と政策�繙縺i第３版）（１９９９青林書院）
○谷口勢津夫・租税条約論（１９９９清文社）
○占部裕典・国際的企業課税法の研究（１９９８信山社）
○小松芳明・逐条研究日米租税条約（第２版１９９５税務経理協会）
○小松芳明・租税条約の研究（新版１９８２有斐閣）
○本庄資・アメリカの租税条約（１９９７大蔵省印刷局）
○矢内一好・租税条約の論点（１９９７中央経済社）
○矢内一好・国際課税と租税条約（１９９２ぎょうせい）
○中田謙司・租税条約の読み方（１９９４中央経済社）
○関西大学法学研究所・国際シンポジウム国際租税秩序の構築（１９９５）
○木村弘之亮「ＯＥＣＤモデル条約における相互協議手続の性質」法学研究７１巻７号１
頁、９号３７頁、１０号３５頁（１９９８）
○木村弘之亮「国際租税法の法源」法学研究７０巻７号１頁、８号２３頁（１９９７）
○木村弘之亮「国際二重課税の原因、形態および評価」法学研究７０巻１２号９１頁（１
９９７）
○木村弘之亮「租税条約上の国籍による無差別取扱条項」法学研究７０巻４号１頁、５号
１５頁、６号５１頁（１９９７）
○木村弘之亮「租税条約上の無国籍による無差別取扱条項」法学研究６９巻１２号５１頁
（１９９６）
○木村弘之亮「租税条約の解釈における性格決定と関連諸問題」法学研究６８巻１２号８
９頁（１９９５）
○水野忠恒「外国法人（非居住者）にかかる源泉徴収所得税とその還付について�繙繿d税
条約と国内法�繙縺v国際税務１５巻１号１９頁（１９９５）
○川端康之「トリティ・ショッピング」ジュリスト１０７５号３８頁（１９９５）
○川端康之「条約便益制限の国内化現象�繙繿d税条約上のbeneficial owner研究序説」総
合税制研究７号６６頁（１９９９）
○占部裕典「トライアンギュラー・ケースにおける国際的利子課税」阪南論集社会科学編
３３巻４号９頁（１９９８）
○増井良啓「オランダのモデル租税条約」ジュリスト１０９８号１２２頁、１０９９号１
１５頁（１９９６）
○Vogel, Shannon, Doernberg, and Van Raad, United States Income Tax
Treaties, Lo
oseleaf, Deventer, 1989-.
○Klaus Vogel On Double Taxation Conventions, Third Edition, Kluwer,
1997.
○Philip Baker, Double Taxation Agreements and International Tax Law,
Second Edi
tion, Sweet & Maxwell, 1994.
○IFA, Practical issues in the application of double tax conventions,
Cahier de
droit fiscal international, Vol. LXXXIIIb, 1998.
○Julie Roin, Rethinking Tax Treaties In A Strategic World With Disparate
Tax Sy
stems, 81 Virginia Tax Review 1753-1799 (1995).
以上のほか、Intertax, EC Tax Review, Tax Notes International, Bulletin
for International
Fiscal Documentationの最近号に目を通しておくとよい。