租税法 月曜1限・水曜5限 授業担当:増井良啓

経済活動を行うさいには,必ずといってよいほど課税が生じます。そのため,課税の法的側面を学んでおくことは,法科大学院で みなさんが貴重な時間を割いて取り組むに値するプロジェクトです。この授業の学習目標は,租税法の基本を理解したうえで,条文を読みこなし,適切な先例を参照しながら,さまざまな取引 にあてはめる力を身につけることです。さらに,課税が人々の行動にどう影響するかを知り,あるべきルールを提案するための訓練を行います。 カバーする範囲は,所得税法を中心とし,これに関連する範囲で法人 税法・国税通則法を含み,いずれも基本的な部分に限ります。この授業で扱うレベルのことは,本来,法律家一般にとって常識に属すべきこと がらといっても過言ではありません。そのため,租税専門の法律家(tax lawyer)をめざす方だけでなく,より広い範囲の受講者を念頭におきます。 より専門的な事項については,「国際租税法」「金融取引課税法」「租税と諸法」などで扱います。

用いる教材は,金子宏他編著『ケースブック租税法(第3版)』(2011年, 弘文堂)。所得税法など条文の入手方法や,参考文献については,開講時に説明します。履修を考える人が夏休み中に読める新書サイズのガイド ブックとして,佐藤英明『プレップ租税法 (第2版)』(2010年,弘文堂)や金子宏他『 税法入門(第6版)』(2007年,有斐閣)があります。

授業の方法としては,基礎的な前提知識に関する短いレクチャーをまじえつつ,ケースブックのNotes and Questionsに従って双方向で議論 しながら進めます。質疑応答を繰り返すことによって条文や判例の読解を確認し,区切りの良いところで練習問題を解く機会を設けます。詳 しい予習範囲は,「教育支援システム」ウェブサイトでご覧ください。


平成23年度税制改正大綱の一部が法律になりましたが,この授業はこれまでと変わらず,改正前の法令をもとにすすめます。改正点については1月の終講時に,平成24年度税制改正大綱とあわせて解説します。なお,11月30日に成立した法律を見たい方は,ここをご覧ください(2011.12.05)
教育支援システムに予習範囲その2アップ(2011.11.01)
ケースブック租税法(第3版第1刷)の訂正表(2011.09.05)
教育支援システムに予習範囲アップ(2011.08.22)