2009年冬学期「地方財政・租税論」

 

【概要】

みなさんは、夕張市が財政破綻したとか、大阪府知事が国の負担金請求を「ぼったくりバーみたいだ」といったとか、きいたことがあるでしょう。でも、それらが正確にはどういうことを意味するか、何が根本の問題か、自分の言葉できちんと説明することができますか?

このゼミでは、経済活動がグローバル化する中で、地方政府の財政とくに税制がどのような課題を抱えており、どう対処すべきかを検討します。一冊の本をゆっくり会読し、1月末までに短いレポートを書きます。公共政策大学院の参加者には,追加課題があります。

【教科書】

佐藤主光『地方財政論入門』(新世社2009年)

【進行】

月日

全員

大学院追加課題

10/7

開講

 

10/14

第1章(地方財政の課題)青木・田中

 

10/21

ゲスト(高井正東京市政調査会主任研究員)

 

10/28

第2章(地方財政の機能)パヌパン・藤尾

シャウプ勧告 箕輪

11/4

第3章(地方財政の理論)田宮・内田

地方法人税 矢尾

11/11

第4章(地方分権の帰結)藤崎・中島

地方財政史 箕輪

11/18

第5章(地方税)鳴田・岩城

 

11/25

第6章(財政移転の理論)奥村・出向

 

12/2

第7章(財政移転の実際)名取・藤本

レポートの題名相談

 

12/9

地方分権改革推進委員会第4次勧告 恵村

レポートの題名相談

 

12/16

レポートの題名と目次を発表

韓国の地方財政 姜

1/13

レポートの提出

ゲスト(佐藤主光一橋大学教授)

 

1/20

終講

 

 

【レポート題名】

箕輪允智

日本における地方債制度の発達―地方債制度の成立からシャウプ体制崩壊まで―

矢尾祐樹

地方財政理論から見た市町村国民健康保険の広域化

青木正芳

事業仕分けの地方自治体に対する影響

田中翔一郎

理想的な地方分権のありかたを『地方財政論入門』より読み取る

ウドムスワンナクン・パヌパン

イギリスの地方税としてのカウンシル税

藤尾恒

地方分権と政府間機能配分論―機能配分論に基づく地方分権改革推進計画の評価―

藤崎美沙

国家観をめぐる一考察―ブキャナンとマスグレイブの対話から

内田勝久

地方財政から見る関西3空港問題

田宮寿人

国民の政治関心を高めるための方策―財政へのコスト意識の視点から―

中島圭一

課税自主権から見る地方税制

鳴田真也

真の財政健全化―地方主導のガバナンス改革―

岩城光

給与所得控除と水平的公平

奥村拓未

ドイツ財政調整制度

出向茉理子

新城市民病院の経営と地方財政

名取裕之

望ましい地方税から見る環境税

藤本亜弥子

地方交付税をめぐる諸問題

惠村甲子朗

国と地方はなぜ対立するのか―地方課税自主権の是非を巡って―