２００３年度夏学期演習「税制と配分的正義（４）」

教材　Liam Murphy and Thomas Nagel, THE MYTH OF OWNERSHIP: TAXES AND JUSTICE (2002 Oxford University Press)

リンク　所得再分配調査

内容　「税制は公平であるべきだ」と多くの人が主張します。しかし、その内容について広くかつ深く議論できる人は多くありません。この本は、「財産権は税制によって部分的に定義された法的構成物だ」という観点から、既存の租税理論を種々の配分的正義の構想から再検討し、課税ベース・累進課税・相続・差別といった重要論点に及ぶものです。そこで、これを会読し、租税と正義についての理解を深めようと考えました。

進め方　毎回約２０頁のペースで読み進めます。担当者には入念な準備が必要です。また、参加者相互で議論することに主眼があるので、担当者以外の人も、毎回の予習と積極的な発言が不可欠です。議論をふまえ、学期末までに各人が任意の角度からレポートを書きます。

進行予定

４月９日　導入

４月１６日　第１章　全員

４月２３日　第２章�Tから�W　上田

４月３０日　第２章�Xから�Z　蝉川

５月７日　第３章�Tから�Y　木村

５月１４日　第３章�Zから�]�V　吉平

５月２１日　第４章　西本

５月２８日　Holmes and Sunstein, The Cost of Rights, Chapter 3 神山

６月４日　第５章�Tから�X 海部

６月１１日　第５章�Yから�]　藤岡

６月１８日　第６章　須田

６月２５日　第７章　尾崎

７月２日　第８章　河内

７月９日　第９章　水野

７月１６日　まとめ　全員

参考文献

増井良啓「租税法における水平的公平の意義」金子古稀『公法学の法と政策・上』（２０００年）

Joel B. Slemrod ed., Does Atlas Shrug? The Economic Consequences of Taxing the Rich (2000)

Kevin A. Hassett and R. Glenn Hubbard, Inequality and Tax Policy (2001)

William G. Gale, James R. Hines Jr., and Joel Slemrod ed., Rethinking Estate and Gift Taxation (2001)

Kevin Phillips, Wealth and Democracy (2002)